前々回の記事に書いたように、スペースシャトルの打ち上げの閃光が迷いを吹き飛ばしてくれたおかげで、僕は宇宙への夢を取り戻した。さて、次は夢をかなえるために現実と向き合う番である。つまり、NASAに入るための就職活動だ。 一般的に、NASAの職員として雇用されるためには、アメリカの市民権(つまり国籍)を持っている必要がある。だが、僕が行きたかったジェット推進研究所(JPL)だけは、幸運にも扱いが異なった。JPLはNASAを構成するセンターのひとつであるが、歴史的な経緯により、その運営はカリフォルニア工科大学(Caltech)によって行われ、職員もCaltechによって雇用される。だから外国人も雇えるのだ。 事実、JPLでは多くの外国人が働いている。たとえば、現在、僕がJPLで所属しているグループには、ルーマニア人、イタリア人、ノルウェー人、フランス人がいる。JPLのトップであるチャールズ・エラ