淺井裕介と狩野哲郎による滞在制作型2人展「ジカンノハナ」が横浜・黄金町の黄金町スタジオで開催中だ。ミヒャエル・エンデの物語『モモ』に出てくる「時間の花(=ジカンノハナ)」をモチーフに、「時間」をテーマにした展覧会である。2人は毎日作品を制作し、展示は毎日変化していく。 淺井と狩野はともに植物をモチーフに作品をつくる作家だ。しかし、扱う素材や制作の過程は大きく異なる。それなのに、なぜだか2人の展示を前にすると、同じ濃度の時間の流れと同じ類の居心地の良さを感じてならない。そして、ついには彼らの作品から目が離せなくなる。今回の展示は隣り合う2つのスタジオで、淺井、狩野とそれぞれ別々の空間に作品が展開されていた。 淺井の空間では、自身の代表作である《MaskingPlant》と窓に描かれた《泥絵》、7、8年前に描いたというドローイングで構成されている。MaskingPlantは、養生用のマスキング