製造業は米国の重要な経済活動の1つである。その証拠はいたるところに見つけることができる。衣料品、保存食品、居住用建造物、交通・通信手段をはじめ、多くのものがそうである。外国製品も目にすることはあるが、今でも国内産業が優位に立っている。米国の中規模の都市で、製造業で現地雇用がないというケースは珍しい。 ニューイングランド北部を除く北東部は、米国で唯一・最重要の製造業地帯である(地図4:45K)。この地域は大ざっぱに言うと、オハイオ渓谷、「メガロポリス」、五大湖南岸に囲まれている。しかし、西の境界線はそれほどはっきりしていない。インディアナ州南部やイリノイ州を横断してさらに西へ続く農業地帯と次第に一体化してしまっているからだ。 面積がそれほど広大でなく、他の地域でも製造業が発展してきたにも関わらず、米国の地理における「製造業の中心地域(Manufacturing Core)」の経済的な意味合い