【北京=峯村健司】新華社通信は25日、中国政府の関係部門がチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の私的代表と近く接触し、協議する準備を進めていると報じた。8月の北京五輪を前に、ダライ・ラマ側との直接対話を求める欧米諸国や日本などの国際世論に押された対応だが、対話の日時や場所は明らかにしていない。 両者の対話は02年から始まったが、昨年7月以来、事実上決裂していた。インド北部ダラムサラのチベット亡命政府のダライ・ラマ14世の側近は25日、朝日新聞に「中国側が本当に我々と意味のある対話をする意思があるのならば、前向きな一歩で歓迎する」と語った。 ロンドンやパリなど各地で聖火リレーへの抗議運動が相次ぎ、チベット騒乱をめぐる中国政府の対応への批判が噴出し、欧米諸国を中心にダライ・ラマ側との対話を求める声が強まっており、中国当局内ですら五輪開催への悪影響を心配する声が出ていた。