(2010年10月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから北へ140キロほど行った街バラデロで、ギアリンクスという名の日本企業が、遠く離れた日本に出荷する大豆やトウモロコシを有機栽培している。 地球の反対側のアフリカでは、日本の支援機関がブラジルおよびモザンビークのパートナーとともに、広大なギニアサバンナ帯の一部を大豆やトウモロコシ、綿花などの作物を生産できる肥沃な農地に変えるプロジェクトに取り組んでいる。 遠く離れた大陸で起きている話とはいえ、外地での日本勢の取り組みには、1つの共通点がある。食糧を巡って世界の発展途上国、特に中国との競争が激しくなる中で、新たな食糧源を必死に求める日本の努力を浮き彫りにしているのだ。 中国が大豆を輸入し始めたのは2000年のこと。米農務省によれば、世界貿易機関(WTO)加盟後、中国の大豆輸入量が急増し、当初1300万