菅義偉政権の誕生から、日本型のファシズムを考えた 民主主義に住みついたその正体 三島憲一 大阪大学名誉教授 安倍晋三が退陣した。本当の理由はよくわからない。モリカケからサクラまで、アベノマスクから電通によるナカヌキまで徹底したウソとゴマカシに貫かれた政権運営の結果だから、表向きの理由もにわかには信じがたい。 コロナ対応で無能ぶりが明らかになり、世論の信頼を失ったためだという説も流れている。しかし、無能の人は、自らの無能には気づいていないのが普通だから、そうとも思えない。真相は闇の中だ。 いずれにしても「安倍政治を許さない!」という標語の下に悪口を言ってきた人々は喜んだ。逆転満塁ホームラン並みに喜んだ。私も退陣発表の翌日に野外レストランで友人とコロナ対策の距離を厳重に取りながら、デモの日々を振り返ってささやかにグラスをあげたものだ。 だが、2杯目のグラスをあげるにあたって、そこにいた4人全員