小学生のチビゾウが急に尋ねてくる。「パパ!ボクでも読めるナンカおもしろい小説ない?」かと。 それはとある日曜日、遅い朝食が終わったリビングでのこと。カゲゾウはすぐさま脳内の図書インデックスカードをディグりはじめる。 正直少しプレッシャーがあったよね。もし「本ってつまらないじゃん!」と思わせては子供を本好きにする機会が失われる。あるいは少し未来に繰り越されてしまう。 「これは」と思うタイトルは浮かぶものの、本人の年齢や性格まで考慮して最適な作品をぶつけたい。と、脳裏に閃光が走る。うん、これしかあるまい。 「おう、『火吹山の魔法使い』という小説があってだな……」 ゲームブックはレッキトシタ冒険小説である。異論は認めない。 本棚の冒険の書は朽ち果てて・・・本棚からやおら『火吹山~』を引っ張りだす。わっ、ダメだ。カバーは破れかけページもヨレヨレ。いや問題ない。安心せいチビゾウよ、ウチには扶桑社から
