北朝鮮の首都、平壌に9月6~11日、入った。核・ミサイル開発に対する国際社会の経済制裁下で、市民はどんな生活を送っているのか。取材制限がある中で6日間、街を回った。(平壌=峯村健司) 平壌中心部にある金日成(キムイルソン)広場で9月10日夜、建国70周年を祝うたいまつ行進があった。数千人がかけ声にあわせ、炎の人文字を描いた。「経済強国万歳!」 工場や農場でも「団結して生産力を上げよう」といったスローガンが掲げられている。国営企業の男性職員によると、昨年末、米国批判や核開発称賛のスローガンから掛け替えられた。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、経済改革と核開発を同時に進める「並進路線」から、経済により力を入れる新路線に転じ、現地視察を繰り返している。 その一つ、「平壌化粧品工場」。ショーケースにファンデーションや口紅が並び、その脇には、グッチや資生堂など外国ブランド製品が数十点置いて