2024年6月、日本の半導体産業の将来を決定づける文書が閣議決定された。その名は「経済財政運営と改革の基本方針2024」。いわゆる「骨太の方針」だ。そこには「次世代半導体の量産等に向けて必要な法制上の措置を検討する」とある。経産省の挑戦が始まった。 これは、幾多の困難にもめげず、日の丸半導体の復活に賭け、ラピダスへの融資に政府保証を付すべく奔走した男たちの物語である。 「プロジェクトX」の冒頭に倣って『令和版 官僚たちの夏』を描くと、こんな感じになるだろうか(実際の「骨太の方針」は6月21日に閣議決定の予定)。量産開始に当たっては5兆円規模の投資が必要とされるが、現時点ではその資金調達の目途は立っていない。民間出資も8社からの73億円にとどまり、追加出資は見込まれていない(国からの拠出は現時点で9,200億円ほど)。 こうした中、必要な資金の確保に向け、ラピダスへの融資に政府保証を付すこと
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