日本の岸田文雄新首相は経済の成長だけでなく、成果の分配にも目配りする「新しい資本主義」を掲げている。実は、中国も成長重視から分配重視の「共同富裕」を掲げ、企業が多額の資金を拠出する新たな分配政策を導入した。国家資本主義と評されるほど成長重視で走ってきた中国だが、来年秋の共産党大会でトップへの再任を目指す習近平(シー・ジンピン)氏の指導部は格差是正にカジを切った。もっとも、野放図に企業に資金拠出を
財務次官が「巨額経済対策は必要か」と述べて話題となっているけれど、結論から言うと、数十兆規模の経済対策は必要ない。それが本当に需要になるなら。もし、GDPの4~5%もの需要が一気に追加されたりすると、供給が追いつかなくて、経済は混乱をきたしかねない。むろん、実際の経済対策は、融資などを含んで膨れ上がっていて、そのまま需要になるわけではないから、心配は無用なのである。 ……… それでは、追加的に必要な需要はどのくらいか。消費増税後コロナ前の2019年10-12月期GDPと、直近の2021年4-6月期GDPを比較すると、-8兆円ほどだから、これが目安になる。そのうち、民間住宅が-1.2兆円、設備投資が-1.7兆円である。住宅は消費増税後の落ち込みから回復してきたし、設備投資も輸出の好調さから伸びが期待されるので、意外かもしれないが、政策的に引っ張り上げるまでもないように思う。 問題は、8兆円も
年金改革のこれから(2) 自民党総裁選で、河野太郎氏が示した年金改革案は一時、論点として注目された。新総裁となった岸田文雄氏ら他3候補からは異議が噴出し「消費増税につながる」として批判を浴びたことから、自ら“トーンダウン”し「幻のプラン」となった。ただし、河野案の問題点はそれだけにとどまらない。前回に続き、その中身を検証していく。
いま「夜の街」という言葉で検索をかけると、ヒットするのはほぼすべてコロナ関連の記事だ。言葉自体は昔からあったにもかかわらず、この語はいまやコロナ禍と切っても切り離せなくなっている。 夜の街というのは、一般にスナック、キャバクラ、ホストクラブ、性風俗店など、接待を伴うサービス業が集まる場所を指す。コロナ禍において、夜の街は感染拡大の「震源地」であるかのように目の敵にされることがしばしばだった。 そんなイメージの一方で、夜の街が人間社会において公共的な役割を担ってきたこともまたたしかだ。 このたびゲンロンカフェでは、『日本の夜の公共圏』(白水社)の編著者であり、スナック研究で知られる谷口功一氏、経済学者の飯田泰之氏、ライターの速水健朗氏を迎え、「夜の街」の歴史、そして未来について語るイベントを開催した。その模様の一部をお届けする。(ゲンロン編集部) 人の欲望を制限する欲望 コロナ禍で表出したの
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