急増する「ブラックバイト問題」〜学生の未来を奪うほどの驚くべき実態 長時間労働、賃金未払い、セクハラ… 文/大内裕和(中京大学教授) 「これが本当にアルバイトなのか?」 「ブラックバイト」とは、2013年7月に私が考え出した言葉である。この言葉が、短期間にこれだけ多くの人々に知られるようになったのは、学生アルバイトの現状がとても深刻になっていることを示している。 2010年前後から、毎年恒例であったゼミ合宿が学生のアルバイトのために成り立たなくなった。また、試験前や試験期間中に「アルバイトのために勉強できない」という学生の悲鳴が上がるようになった。さらに、アルバイトのために、試験そのものを欠席して単位を落としたり、就職の面接に行けなかったりする学生と出会った。 私は「このままでは大学教育はできない」と考え、2013年6月~7月にかけて学生のアルバイト調査を実施した。この調査によって私は驚く