少子化は政策で止められるのか 「1.57ショック」という言葉を覚えておられる中高年の方は多いだろう。女性が一生に産む子どもの平均数をあらわす合計特殊出生率が、当時過去最低の1.57であることが判明したのは1990(平成2)年。これ以降、少子化は日本の命運を左右する重大な社会問題とされてきた。 このような「国難」を解決すべく、さまざまな少子化対策が四半世紀にわたり実施された。しかし2016年の合計特殊出生率は1.44。「1.57ショック」の頃の水準にすら回復していない。 「出生率が回復しないのは、これまでの少子化対策が質量ともに不徹底だからだ」と思う方もいるだろう。それゆえか、国会、地方議会、新聞、テレビ、ウェブ、SNSなど、さまざまな場所で、新しい少子化対策が提案されている。 しかし政治や行政やマスコミの間で、どの少子化対策がどの程度効果があったのか、なかったのかに関して、しっかりした議論