東日本大震災から7年。南相馬の精神科医・堀有伸さんがいま考えていることを綴る。あの原発事故とは何だったのか? 私たちが直面する問題とは? なぜいま1940年体制を振り返る必要があるのか? 原発事故の直接的な健康被害は軽微 昨年の秋、精神医学関連のある学会で東日本大震災についてのシンポジウムに登壇する機会をいただいた。 その中で、東京電力福島第一原子力発電所事故による直接的な健康被害は、科学的な検証によって軽微であると主張する立場(筆者もその立場を取っている)について、他のシンポジストから批判的なコメントがなされた。 それは、たとえば子どもへの健康被害を心配する母たちを追い込むことになるのではないか、という内容だった。発言された先生は、福島県外への自主避難者を支援している方だった。 私は福島県内に暮らし、地域の復興に貢献することにも立場を取っているものとして次のような発言を行った。 地域内に