おとぎの国の一徹王 2017年10月8日からの1週間、デンマークのフレゼリク皇太子とメアリ妃の夫妻が、日本を公式に訪れた。今年が日本とデンマークの外交関係樹立150周年にあたり、その記念事業を進めるデンマーク側の名誉総裁がフレゼリク皇太子なのである。 日本側で名誉総裁を務めるのは徳仁皇太子。フレゼリク皇太子夫妻の来日とともに、徳仁皇太子夫妻がお二人を歓待し、各種行事をご一緒されるとともに、東宮での夕食会も催した。 フレゼリク皇太子の母マルグレーテ2世女王は、在位45年を超え、国民からも絶大な信頼を集めている。しかし、彼女が生まれた当時のデンマークは、20世紀最大の国難のまっただ中にあったのだ。 1940年4月9日の早朝5時。 この国を10年以上にわたって首相として率いてきたトールヴァルト・スタウニングが、コペンハーゲンにたたずむアマリエンボー宮殿の窓をたたく大きな音が響いた。 首相は緊急に