保守的な時代認識と事実誤認 私はここまで「現代ビジネス」の一連の記事で、現代の若者論について見てきました。 若者論を蒐集してきて改めて気付かされるのは、若者論というのは、そのときどきの若者の実像を反映しているのではなく、むしろそのときどきの時代の欲望を反映しているものであると気付かされます。 あるいは、そのときどきの「青少年問題」をダシにして、社会を語りたい欲望の発露といったほうが適切でしょうか。 例えば、『世界』2004年2月号の特集「私たちは若い世代を『育てている』か」。編集部によってつけられたと思われる特集の巻頭言には、2000年代前半の若者論のテンプレートが詰まっています。全文を引用してみましょう。 子どもをめぐる「事件」が多発している。昨年夏の長崎の児童殺傷事件や沖縄のリンチ殺人事件など、子どもたちが加害者となって引き起こす事件・犯罪も深刻だ。しかし、虐待や、小中学生の拉致・監禁
![なぜ大人たちは「若者」を語りたがるのか? 幻想、暴論、狭い正義…(後藤 和智) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/164a65d4d754263fb5f5d9557f9505f4a7a26c75/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F5%2Fb%2F1200m%2Fimg_5b1dadf320ed9c713b009c4337b26709458719.jpg)