ほんとうの情報はいったいどこにあるのだろう。 一昔前に比べると、情報へのアクセスは格段に楽になった。宇宙の不思議も深海の世界もネットにアクセスすれば一発である。 しかし言うまでもなく、アクセスの自由さと、正しさの度合いは比例しない。 イギリスのEU脱退、トランプ大統領の就任によって流行した言葉は、ポスト・トゥルースであった。事実よりも、個人の感情や信条が世論を形成する様を指す。 大量の情報の中で自分にとって心地よい、都合のいい情報をつなぎ合わせると、それらしいものが出来上がる。それらしいものと「ほんとう」を区別するのは思った以上に困難だ。 これは科学の世界でも同様である。昨年来のDeNAの医療サイト「WELQ」問題からも明らかなように、断片的な情報が、わかりやすく、心地よい形に継ぎあわされて拡散されると、科学的な裏付けのある情報に見えてくる。 医療の世界にもポスト・トゥルースは存在する。