近年、中国、インド等の新興国の経済発展や、バイオ燃料ブームによる世界的な穀物増産により、肥料の原料価格が高騰しています。中でも原産国が限られるリンについては、主要原産国である中国等の輸出規制の影響もあって、国際取引価格はここ数年間で5倍以上になっており、リンの全量を輸入に頼るわが国でも、肥料価格の大幅値上げ等の影響が出始めています。 一方、下水道にはリン鉱石として輸入されるリンの約4~5割に相当するリンが流入しているとの推計がありますが、有効利用されている割合は約1割に過ぎず、今後、下水や下水汚泥からのリン回収、活用について、農業関係者等のユーザー側と連携しつつ、積極的に推進していくことが必要な状況となっています。 以上を踏まえ、現在、下水汚泥等からのリン回収に取り組んでいる、または具体的な取り組みを予定している自治体における現状や課題を把握するとともに、ユーザー側の実態やニーズ等