シナイ半島でのモスク襲撃テロから3日後の11月27日に首都カイロで行われた追悼集会 Mohamed Abd El Ghany-REUTERS <300人超が死亡したシナイ半島の事件は、エジプトでモスクを標的とした初めてのテロだった。「サラフィー対スーフィー」という社会の亀裂が背景にあるが、暴力の連鎖につながってしまう可能性はあるのか> エジプトのシナイ半島で11月24日に起きたモスク(イスラム教礼拝所)襲撃事件は、300人以上という死者の多さだけでなく、この国でモスクを標的とした初めてのテロという重大性を持つ。 犯行声明は出ていないが、武装集団はイスラムの黒い旗を持っていたという現場の情報がある。黒い布に「アッラーのほかに神はない」というコーランの文字を白で抜いたもの。「イスラム国」(IS)の旗と報じられているが、IS出現以前からアルカイダ系組織でも使われており、イスラムの厳格な実施を追及