材料科学の“四番バッター”ともいえる細野秀雄・東京工業大学教授が、4本目のホームランをスタンドに叩き込んだもようだ。それが、C12A7(12CaO・7Al2O3)を触媒とした新しいアンモニア合成法だ。言うまでもなく、現行のハーバー・ボッシュ法(1903年)は空気中の窒素ガスを原料にしたアンモニア合成法で、そこから窒素肥料が作られ、人類の発展に大きく貢献してきた。人類史に名前を刻むこの有名な手法が、“細野法”に置き換えられる可能性があるという。100年の歴史が本当に変わるかどうかは今後にかかっているが、少なくとも変換効率においてしのぐ可能性は高いと細野教授は自信をのぞかせる。 1本目のホームランであるIGZOによる高性能透明薄膜トランジスタ(TFT)の方は、いよいよアモルファスシリコンTFTを駆逐しつつあるようだ。スマートフォンや大型液晶テレビの高精細化が進み、IGZOの優秀な性能がますます