ふだん料理はしないが、そば打ちには興味はある、という人は多いのではないだろうか。特に、男性に多いのではないだろうか。 うちの近所に、そば道具の専門店がある。「そば道場」と名乗る、手打ちの教室を併設している店だ。土日などの休日に、その店の前を通ると、さして大きくない店内に、何人ものサラリーマン風中高年男性が、真剣に購入を検討しているらしい様子が見える。 真剣にならざるを得ないと思う。そば道具は高価である。打ち台が1万円から。そば包丁が7千円から。ちょっといいのは5万円。打ったそばを入れておくヒノキの切りだめもほしい、これが2万円。プロも使うような道具を追求していくと、すぐに10万円を超えるだろうと思われる。 そばという、一種類の食べ物を作るためだけに、この投資はすごい。何も、プロと同じ本格的な道具でなくてもいいのではないかと思うけれど、そういうわけにはどうもいかないらしい。 そういう、プロ並