【2001年6月25日 国立天文台・天文ニュース (450)】 金星が逆向きに自転していることはみなさんご存じでしょう。これはどうしてでしょうか。この問題にひとつの説明が与えられました。 太陽系の天体の多くは、自転も公転も正の向き(北から見て反時計回り)です。それに反して金星は1回転に243.02日もかかる、たいへんゆっくりした逆向きの自転をしています。その理由として、これまでは、金星内部での核とマントルの摩擦(CMF)などにより、過去のどこかの時点で、自転軸の向きの南北が反転したという説が唱えられていました。 これに対し、フランス国立中央科学研究所(Centre National de la Recherche Scientifique;CNRS)のコレラ(Correla,A.C.M.)たちは、理論的研究やさまざまな初期条件によるコンピュータ・シミュレーションによって金星自転の履歴を追跡