2008年08月17日22:50 カテゴリ美術史を学ぶための手引き 展覧会カタログの歴史 いささか古い原稿ですが(1994)、以前書いたことを思い出しましたのでご紹介します。愛知芸術文化センター・アートライブラリーの蔵書を紹介するために書いたものです。 展覧会カタログの歴史 展覧会には、通例カタログが刊行される。その形式はパンフレットに近いものから大部なものまでその機能に応じ千差万別である。ここでは、歴史的な視点から回顧される個展、あるいは特定の美術動向を扱う展覧会のカタログに限って、アートライブラリーの所蔵図書を通じ振り返ってみたい。 展覧会カタログの起源は17世紀フランスのサロンにおける展示作品リスト(リヴレ)にあるといわれる。現在では作家や美術団体の展覧会における出品目録がこれにあたる。しばしば序文が巻頭を飾ったり、図版が付されたりすることもある。グスタフ・クリムトの画業を回顧するた