世界中を魅了した銀盤の女王が「楽しさ」を求めて舞い戻ってきた。1992年アルビールベル五輪フィギュアスケート女子で銀メダルを獲得した伊藤みどりさん(41)は、11日にドイツで国際アダルト選手権に出場。「スケートの楽しさを感じながら滑ることができた」と笑った。 国際スケート連盟(ISU)の公式戦は15年ぶり。大会は元選手や愛好家が対象で、伊藤さんは36~45歳の元選手に資格がある部門に出場。2選手中2位の成績にも「精一杯できて満足」と充実感を漂わせた。 伊藤さんは現役時代、女子では非常に難しいとされるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が武器の“ジャンパー”だった。現在は2010年バンクーバー五輪銀メダルの浅田真央(中京大)が得意とする大技を意識し、「いつも『ジャンプを跳ばなければ』と考えてました」と苦笑する。戦う相手は「氷」よりも「重力」だった。 ここ数年で価値観は180度変わった。スケー