「耳をすませば」が好きで、ジブリに入社。「もののけ姫」の動画、「崖の上のポニョ」の原画を手がけてきた。愛称は「麻呂」。「入社した時の歓迎会で、『なんか、麻呂っぽい』ってつけられたんです」=望月英克撮影 スタジオジブリの新作アニメーション映画「借りぐらしのアリエッティ」が公開中だ。監督は37歳の新人、米林宏昌。宮崎駿監督作品で腕をふるってきたジブリ屈指のアニメーターが、苦心の映画作りを振り返った。(近藤孝) 映画の序盤、人間の世界からの借り物で生活している小人のアリエッティが、父親と「狩り」でなく、「借り」の冒険に行くシーン。宮崎監督が書いた脚本にはほとんどセリフがなかった。 米林監督は「『アニメーションで見せろ』ということだったんじゃないか」と振り返る。つまり、セリフに頼らず、キャラクターの動きで効果的な場面に仕上げろ、という課題を課せられたと受け止めた。 空も飛べず、魔法も使えない小人た