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人生に関するkazkunのブックマーク (3)

  • ワクチンを打ったわたし、心臓を止めない薬|岸田奈美|NamiKishida

    お下がりの洗濯機をいつ持っていけばいいかという連絡を母にしたら、いま病院のレントゲン検査にきているとのことだった。 心臓に人工弁を入れている母は、“念のため”の検査がやたらと多い。いつも飄々とした外科医の先生が「うん、今日も異常なっしーん」と壁に貼りつけた検査の書類を見ながら、もう当り前に決まってたことかのごとく言ってくれるのだが、超弩級な心配性の母は、いつもあれこれと質問をする。 その質問が、なんか、天王寺動物園のトラの背中にマウンテンゴリラが乗って檻から逃げ出した想定の避難訓練というか、とにかく「そうはならんやろ」と言いたくなるような想像の産物なので、母はだいたい「そうはならんのですよ」と先生に笑われて、すごすごと診察室をあとにすると言う。 「もう病気はいやや、ピンピンコロリがいい」 母が電話で、さめざめと泣いた。 「すでに病気で二回死にかけとるから、あなたの場合はピンコロ ピンコロ

    ワクチンを打ったわたし、心臓を止めない薬|岸田奈美|NamiKishida
    kazkun
    kazkun 2021/07/07
    人の心は弱い。誰かに悲しみ怒りを擦り付けないと耐えられない。理解してるけど今もそうせざるを得ない自分がいる。せめて忘れないようにしなければ。
  • 自走式彼女

    俺の嫁さんは自分で走る。特にプログラムされずとも、自分で考えて走る。 出会いは俺が二十八の時。働いている会社は新卒採用が全くなく、若いのが入らないので代謝が悪かった。その会社にしては珍しく新卒入社だった俺は、六年経てど部下はおろか後輩すらできず、ずっと続く「若手扱い」に辟易してた。そんなある日、自主退職者の補填として彼女が来た。当時二十七歳。見た目も少し近いが、雰囲気はシン・ゴジラに出てきた市川実日子まんま。会社が外資系だったこともあり、人事も面白みがないよりは風変わりな人材を好む傾向があったため、第一印象は「まためんどくさそうなのが…」という感じだった。 彼女は必要以上に人と馴れ合わないけれど、飲み会は割と顔を出す(ただし質問されない限り会話はせず、淡々と飲んでる)し、仕事は完璧なもんだから、一年たつ頃には「ちょっと変わったミステリアスな人」みたいなキャラで定着し、重宝される人になってい

    自走式彼女
  • インターネットの適当な人生相談が、ある少年の人生を変えたかもしれない話 - 30代の大腿骨頸部骨折日記

    2014年か15年の頃だった。僕はその時、コンサル会社に出向していて、毎日深夜まで働いていて、殆どタクシー帰りだった。 よく覚えているのだが、確かその日も1時半ぐらいに帰宅して、ask.fmという質問回答サイトを見ていた。そうすると深夜にもかかわらず一人の中学生から質問が届いた。こんな内容だった。 中学2年生不登校の者です。僕はハーフなんですがそれが原因でいじめられていました。 田舎で日語もあまりうまくないので余計いじめられます。 | ask.fm/M_znuask.fm (この前にもやりとりがあったはずだが見つけられなかった) 自分は中学生だが、ハーフで日語が上手くないからいじめられていて不登校になったという内容だった。なんで中学生がこんな深夜にオッサンのaskに質問をと思ったが、たまたま見かけて、藁にもすがる思いだったのだろう。何かいい言葉をと必死で考えた。 まず、貴方は今が人生

    インターネットの適当な人生相談が、ある少年の人生を変えたかもしれない話 - 30代の大腿骨頸部骨折日記
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