インターネットの母国である米国の接続環境は、世界16位と振るわない。原因は、政権と癒着してきた米コムキャストなどによる寡占の通信業界にある。米国の業界構造は変革に向かうのか、FCCの次期委員長人事に注目が集まる。 米大統領は、1社か2社の企業と強い結びつきを持つことが多い。企業が巨額の寄付金で選挙戦を支え、当選後は政策の恩恵を被るという構図だ。 ドワイト・アイゼンハワー元大統領は米ゼネラル・モーターズ、ジョージ・W・ブッシュ前大統領は米石油会社ハリバートンがそうした企業だった。バラク・オバマ大統領の場合、それはケーブルテレビとインターネット接続の国内最大手、米コムキャストだろう。 米国のネット環境は世界16位 1月12日、バラク・オバマ大統領は一般教書演説を行った(上)が、ネット環境の改善には全く触れなかった。下は、オバマ大統領と結びつきが強い米コムキャストのデビッド・コーエン上級副社長(