はじめに 第1回の記事ではApache Commons Collectionsライブラリのデシリアライズに関する脆弱性と脆弱性を悪用した攻撃について、第2回の記事ではデシリアライズ時に発生し得る一般的なセキュリティ問題について説明し、外部から受け取ったシリアライズデータを検証なしにデシリアライズすることはリスクを伴うことを解説した。ポイントを整理しておく。 1. 意図しないクラスのオブジェクトが生成される可能性がある クラスパス上に存在する任意のクラスのオブジェクトを、攻撃者が指定するままに生成してしまう可能性がある。クラスパス上には、OSS、サードパーティソフトなどさまざまなライブラリが存在することが多く、それらクラスのデシリアライズ処理を悪用される可能性がある。第1回で解説したApache Commons Collectionsライブラリのクラスの悪用もその一例だ。 2. デシリアライ