NPOをはじめとするソーシャルセクターでは、「ソーシャル・キャピタル」という概念が地域や社会の課題解決に向けた重要な要素として位置づけられている。一般的には、社会関係資本と呼ばれ、物的資本(フィジカル・キャピタル)や人的資本(ヒューマン・キャピタル)などと並ぶ概念とされている。 米政治学者ロバート・パットナムは、「人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を改善できる、信頼、規範、ネットワークといった社会組織の特徴」と定義しているが、分かりやすく言うと、地域における人と人、住民同士のつながりによって安心感や充実感が高まり、人々の生活が豊かになるということだ。 ソーシャル・キャピタルの醸成が、地域の安全や安心、高齢者の住みやすさ、子育てのしやすさ、健康の増進、教育水準の向上などに寄与するのだ。 内閣府が2003年に発表した報告書で、ソーシャル・キャピタルが国民生活に影響を及ぼす可能性