日立製作所 基礎研究センターの坂入実さんは、現在がん検査の主流となっている血液検査は、医療機関での受診が必要な上に、全身のがんを1度に検査することは難しく「受診者への負担が大きい」と話す。受診者が自宅で尿を採取し、検査機関に送付するだけで診断できる仕組みを確立し、早期診断、早期治療につなげる狙いだ。 今後、臨床データの件数を増やし、精度の向上や特定できるがんの種類を増やす。「例えば『がんが全くない』という判断は難しく、健康な人のデータは手に入りにくい。早期発見が難しいすい臓がんなど、データを得にくい症例もある。実用化には、こうした臨床データの積み上げが必要」(坂入さん)。 関連記事 正常細胞ががん細胞をはじき出す――細胞の“社会性”利用した治療法 北大が研究資金募る 正常な細胞ががん細胞を排除する仕組みを解明し、予防・治療法を確立する北海道大学のプロジェクトが、クラウドファンディングで研究