災害時に企業は何ができるか? かつて、私は米国ニュージャージーの保険会社の損害サービス部署(保険金支払担当部署)で最新の保険金支払の方法を学んでいた。通常、地震や台風などで被災を受けると家財が大きな被害を受ける。火災保険は、概ね時価保険で、家財を新規に購入したとしても、事故発生時までに一定の年月が経過し、経年分の減価償却を控除した残額である時価相当分が保険金支払の対象となるため、新たに家財を購入するには資金が不足する場合が度々あった。 この米国保険会社の中央コンピュータは、米国中のあらゆる家財を販売する数千の小売店と直接ネットワークで結ばれており、コンピュータに被害品目を入力するだけで、新品から中古品まで、一斉に入札が開始され、一番低い価額で入札した小売店が自動的に保険契約者に対して被害を受けた家財を送付する権利を得ることができる。 この結果、契約者は被災を受けた家財を自ら探すことなく、保