2016年03月23日22:12 カテゴリ本 心配性だけが生き残る アンディ・グローブが死去した。本書は日本では『インテル戦略転換』と訳されているが、原題は"Only the Paranoid Survive"。Paranoidは「偏執狂」などと訳されるが、本人は「心配性」といった意味で使っている。 シリコンバレーという言葉は半導体メーカーが集まったことから生まれたが、インテルの本業のDRAMは低価格の日本製品に押され、インテルはDRAMから撤退してCPUで勝負することを決める。このように急速に変化する業界では、いつも「新しい敵はどこにいるか」と心配する企業だけが生き残るのだ。本書にはおもしろいエピソードが紹介されている。私は、IBMの担当者が大手パソコン・メーカーにOS/2[IBMの独自OS]の採用を依頼している現場にたまたま居合わせたことがある。この担当者はそれを売り込もうとしながらも