放射線科学などを研究する量子科学技術研究開発機構と、東芝、日立製作所、三菱電機、住友重機械工業は12月13日、従来より小型な重粒子線がん治療装置「量子メス」の開発に向けて協力すると発表した。 重粒子線がん治療は、放射線治療の一種。炭素イオンを加速器で加速し、体の外からがんを攻撃する。 従来の装置は巨大だったが、研究機関とメーカーが協力することで、大幅な小型化・低建設コスト化を目指す。炭素イオンより高い治療効果が期待できるマルチイオン照射の実用性実証など、高性能化も進める。 量研機構は、1994年に世界初の重粒子線がん治療専用装置の開発に成功し、これまでに1万人を超える治療を行ってきたという。 関連記事 がん細胞を放射線で“狙い撃ち” 量研機構、副作用少ない治療薬を開発 副腎のがん細胞に効く新薬を、量研機構が開発。投与した薬剤ががん細胞に到達し、体内で放射線を照射してピンポイントに治療する。