欧州宇宙機関(ESA)初の惑星探査機「Mars Express」は、火星の写真撮影を開始してから10周年を迎えている。同探査機は、搭載された高解像度ステレオカメラ(High Resolution Stereo Camera:HRSC)で得たデータを使用して、ミッションの開始以来、数多くの画像を送り返してきた。 HRSCは、約10mの空間分解能を持つカラー画像や3D画像として火星を撮影している。一部の特別な地域では、さらに詳細な2mの空間分解能での撮影を行った。このカメラの最大の強みの1つは指向精度の高さだ。空間分解能が異なる2種類の写真を組み合わせ、さらに、火星の地形をフルカラーで明らかにする地下探査レーダ高度計(Mars Advanced Radar for Subsurface and Ionospheric Sounding:MARSIS)によって得られた3D斜視図を用いることで、高