ツイッターでの意見交換を見ながら、私はつい先日、知り合いの翻訳関係者と帰りの電車でふたりになったときのことを思いだしていました。 ふたりになったところで「最近、仕事はどう?」とたずねたところ、「翻訳って、品質高めて単価を上げ、工夫で効率を高めても限界があるじゃないですか……」と返ってきました。「うん、そうだねぇ」と応えましたが、その「限界」は人によって、どこでどういう翻訳をしているのかによって大きく違います。 ちなみにこの人は、「ITローカライズにおいて必要十分な品質の翻訳をできるかぎり高速で生みだす」といった方針で、機械翻訳、WordなどのマクロやWindows上のスクリプト、ゲーム用の補助キーボード、音声入力など、およそ考えられるかぎりの効率向上策を利用。効率は極限まで高めているとのことでした。10年近く前、イカロス出版のムック本に登場した時点でそういう話になっており、「新規翻訳で1時
「仕事に満足か不満か」に対して、4対6くらいで少なめとはいえ、「満足している」と答えた人が多いのは少々意外でもあり、うれしいことでもありました。お金と時間をかけてまでああいうところに出てくる人というのは、それなりに考えていたり努力をしていたりする人が多いので、満足している割合が高いはずではありますから。 不満の原因については、(↓)でほぼ網羅しているようです。「これ以外の人」と聞いてみても手が上がりませんでした。 仕事量が少ない 単価が安すぎる やりがい・貢献感がない 仕事がおもしろくない 成長がない/先々が不安 忙しすぎる ちなみに、「仕事に満足か不満か」で「満足」に手を上げたのに、こちらの選択肢でどれかについ手を上げてしまった人もいたそうです(ブログだったかツイッターだったかでそう書いている人がおられました)。 基本的に不満が解消できれば満足するはずなので、そちらに向けて動くわけですが
アマゾンの『スティーブ・ジョブズ II』のカスタマーレビューに、古本一番堂という方から、訳に対する疑問点が列挙されていました。 なお翻訳については突貫工事であったことを考慮してもあまりほめられたものではない。以下、気づいた箇所のごく一部を挙げる。 とのことで、全部で16点の指摘がありましたので、それぞれについて、簡単にコメントしたいと思います。なお、結果として、指摘どおりでなにがしかのミスがあり要修正なところが4点、あと、指摘そのものではありませんがこれを契機に見直したところ改良の余地ありでせっかくならと直すところが4点、残り8点はさまざまな理由から私としてはいまのママにすべきだと思いました。 この段階にきて直すべきと思ったところがなんだかんだでこれだけあるというのは、私としては多いなぁという印象です(『スティーブ・ジョブズ』が全2巻で通常の3冊分くらいある分厚い書籍だとはいえ)。6年前の
訳文の品質というか、できるだけいい本を読者に届けるという意味では3がベストです(正確には「刊行を遅らせ、十分な時間を確保してひとりでやる」ですが、今回、この選択肢は最初からないので)。ただ、「世界同時発売」という縛りと両立しないならあきらめざるをえません。「世界同時発売」を実現しつつ、一番いい本になるのはどのパターンかということを考えなければならないわけです。 1は、少なくとも私はやりません。理由は、まず、私は英語の世界から一気に最終的な訳文に近いところまでもってゆくタイプなので、下訳者の日本語を直すのに耐えられないというのがひとつ。もうひとつ、満足できるレベルの訳文になるまで直していたら、結局、自分で訳したほうが速いだろうと思うくらい時間がかかってしまい、下訳者が訳している期間だけ遅れるという問題があります。逆に、下訳者に頼んで時間短縮を実現するなら、少なくともいままで私が出してきた翻訳
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く