生活苦で授業料などを払えないために卒業できない「卒業クライシス(危機)」への対策として、厚生労働省は、高校授業料の滞納分を無利子で借りられるようにした。都道府県の社会福祉協議会が国の補助を受けて実施する「生活福祉資金貸付制度」に特例を設ける形で、都道府県に12日通知した。 同制度は低所得世帯などに対する貸し付け事業で、教育支援としては高校の場合、月3万5000円以内を無利子で貸し付けている。滞納した授業料は範囲外だが、各高校の卒業判定が迫る中で今年度に限り特例的にさかのぼり、滞納した高校授業料を貸し付けられるようにした。1カ月当たり3万5000円以内とする。 卒業クライシスを巡っては、高校生有志らが今月9日、長妻昭厚労相らに緊急要望書を提出して対応を求めていた。【佐藤浩】