中国の王朝「夏」の初代帝で黄河の治水工事を成し遂げたとされる「禹(う)王(文命)」ゆかりの史跡について、郷土史研究家グループ「足柄の歴史再発見クラブ」が地道な調査を続けている。これまでに南足柄市内の酒匂川流域など全国18カ所で確認されていたが、横須賀市内など4カ所でも新たに見つかったという。新たに確認されたのは、横須賀、新潟、沖縄、愛媛の4カ所。 横須賀は衣笠公園にある1923年築造の石碑「西田明則君之碑」(高さ約8メートル)で、東京湾海堡(かいほう)建設に携わった旧陸軍技師の西田明則の功績を「夏の禹王の治水業績に勝るとも劣らぬ」と記し、海堡の建設に功績があった人物を禹王になぞらえていた。 同クラブ顧問の大脇良夫さん(70)は「川の治水だけでなく、海でも引き合いに出されているのが興味深い。治水史だけでなく、人格者としての側面を捉えてのものかもしれない」と分析している。 江戸時代、洪水