自由や民主主義、人権などといった「普遍的価値」を掲げ、首脳外交を繰り広げてきた安倍外交(表)。価値観を「共有しない」中国を囲い込み、日米同盟を基軸とした優位性を確保しようというもくろみが今、狂いつつあります。 首相自身が弱点 「大国間の新しい関係のモデルをつくる」―。米オバマ大統領と中国の習近平国家主席は7~8日(現地時間)の2日間、米カリフォルニア州で異例の8時間に及ぶ会談でこう語り合いました。両氏は経済、安全保障でも緊密な協力を確認しました。昼食含め1時間半だった日米首脳会談とは別格の扱いでした。 一方、安倍晋三首相は、就任から半年近くたちますが、中国と対話の糸口を見いだせていません。元外交官の小池政行氏はこう指摘します。 「いまだに中国、韓国の首脳と会えていないのは本当に恥ずべきことだ。国際社会での中国の存在は圧倒的であり、良好な関係をつくれなければ国益を損なうことになる」 第1次安