講座内容 日本のマンガ・アニメ・ゲームが特異な発展を遂げたのは、主に20世紀後半に入ってからである。国民に幅広く親しまれる一方で、現在もサブカルチャーとしての性格が色濃い。他方、世紀をまたいだあたりから、省庁によって輸出文化として有望視され、「クールジャパン」というフレーズが冠されるようにもなった。 サブカルチャーでありながら、〈日本〉的なるものを国外に発信する役割を国から期待されるという状況は、時に違和感を醸してきた。マスメディアで「アニメの殿堂」と呼ばれた「国立メディア芸術総合センター」の計画が、2009年に国会で取り沙汰され、当時の野党から「巨大国営マンガ喫茶」だと攻撃された挙げ句、政権交代にともなって執行停止になったことは、この違和感の反映ともとらえ得る。その一方で、2020年のオリンピック招致に向けて東京都が繰り出したPRフィルムでは、浅草や明治神宮とともに、ガンダム像やメイド喫