自民党最大派閥の町村派が揺れている。もともとライバル関係にある町村信孝・前官房長官と中川秀直・元幹事長の両代表世話人の軋轢(あつれき)が、麻生首相との距離を巡る路線論争と重なり、派内を二分する争いに発展する可能性もある。 11日の町村派総会では、町村氏と中川氏の間に緊張した空気が流れた。 たばこ税の増税反対の持論を展開していた町村氏の隣に座っていた中川氏が、突然、「国民の6割がたばこ税を上げろと言っているんだ」といら立ちの声を上げたためだ。 町村氏は、麻生首相を支える姿勢を鮮明にすることで、派内の実力者で首相に近い森、安倍両元首相との連携を深め、派内の基盤を固めようとしている。9日には首相官邸に麻生首相を訪ね、「首相の主張を来年度予算で実現してもらうことが大切だ」と激励した。 森、安倍氏と盛んに接触しており、「町村氏は『ポスト麻生』として次の党総裁選に名乗りを上げるための布石を打っている」