1世紀前に建てられた直方市の旧JR直方駅舎について、市が市街地再開発の一環として、10月3日に解体工事を始めることになった。歴史的な文化財として保存を求めてきた住民団体は同2日に反対集会を開き、旧駅舎を「人間の鎖」で囲む抗議行動を起こす姿勢を見せている。 旧駅舎は1910年(明治43年)建造の木造平屋で、床面積は約1500平方メートル。正面玄関の三角屋根が当時流行した洋風建築の面影を残すが、建物本体は何度も増改築され、老朽化が目立つ。4月末には隣接地に新駅舎が開業している。 市は旧駅舎の跡地に、駅前ロータリーの整備計画を立てる一方、駅舎保存を求める声にも配慮し、正面玄関については移築し、残す方針を示してきた。 これに対し、「101歳直方駅舎の再生を求めるネットワーク」などの市民グループは5月までに、解体に反対する2万6048人分の署名を集め、向野敏昭市長に提出。その後、解体費の支出差し止め