シンポジウム「大災害における文化遺産の救出と記憶・記録の継承 ―地域コミュニティの再生のために―」(2013.3.2開催)聴講感想 3月2日に筑波大学春日キャンパスで開催された、筑波大学 知的コミュニティ基盤研究センター公開シンポジウム「大災害における文化遺産の救出と記憶・記録の継承 ―地域コミュニティの再生のために―」を聴講してまいりました。 以下、各講演の簡単な概要と感想です。そのうち公式に詳しい記録が刊行されるのを期待しています。 最初は基盤研究センター長の杉本先生からご挨拶。続いて筑波大学白井哲哉先生から本日の趣旨についてご説明がありました。趣旨はシンポジウムのページにも載っていますがまとめると次のとおりです。 被災地の文化遺産の救出は地域コミュニティの再生に関わる基盤情報である。図書館、文書館、博物館は地域文化遺産を収集、公開してきた。本日登壇いただくのは、文化遺産の救出・保全と
◇琵琶湖博物館、陸前高田の1046点修復 東日本大震災の津波で被災した岩手県陸前高田市立博物館の昆虫標本約3万点の修復作業などを、全国の博物館と分担して取り組んでいた滋賀県立琵琶湖博物館(草津市)が、担当していたチョウ類の標本計1046点について、修復と消失したデータベースの再構築作業をすべて終えた。判別不能の標本や失われたデータが多く、難航したが、「標本を保管、活用するにはデータベース化が不可欠。無事、仕上げることができてよかった」としている。(高山智仁) 陸前高田市立博物館は、地域の民具や動植物、昆虫など約15万点を収蔵していたが、東日本大震災による津波で、職員6人全員が死亡、または行方不明となり、建物も全壊するなど被害を受けた。 文化財救出のため訪れた岩手県立博物館(盛岡市)の職員らが震災翌月、がれきの中から標本を運び出したが、大半が水や泥をかぶったり破損したりしていた。収蔵品を記録
千葉歴史・自然資料救済ネットワークよりのお知らせです。 2月28日に以下の要領で、公開シンポジウム「博物館資料はなぜ救済されなければならないか―東日本大震災の教訓―」が開催されます。ふるってご参加下さい。 シンポジウムでは、将来の大災害に備えるために、実際の救済現場で何が起きたのかを、当事者の方々から正しく伝えていただくとともに、博物館資料はそもそもなぜ救済されなければならないのか、という根本問題に立ちかえって、資料救済に関する議論を深めたいと考えています。 日時 2013年2月28日(木)13:00〜16:00(受付12:30〜) 会場 千葉県立中央博物館 講堂 大きな地図で見る 定員 200名(当日先着順) 入場無料 主催 千葉県文化遺産継承実行委員会、千葉県教育委員会、千葉県博物館協会地域振興委員会 URL 千葉県立中央博物館 http://www2.chiba-muse.or.jp
福島の美術館で何が起こっていたのか : 震災、原発事故、ベン・シャーンのこと 黒川創編 編集グループSURE, 2012.11 タイトル別名 福島の美術館で何が起こっていたのか : 震災原発事故ベンシャーンのこと タイトル読み フクシマ ノ ビジュツカン デ ナニ ガ オコッテ イタ ノカ : シンサイ ゲンパツ ジコ ベン シャーン ノ コト
7月31日に兵庫県立美術館にて、『全国美術館会議 東日本大震災文化財レスキュー事業記録集』第1回企画・編集会議が開かれました。(本会合の当初の名称は、『全国美術館会議 東日本大震災 救援・支援活動参加者報告集』(仮称)第1回企画・編集会議) 東日本大震災に係る全美の救援・支援活動は現在も継続中ですが、記憶が新しいうちに参加者の記録をまとめる必要があるという考えから、この準備会が立ち上げられました。様々な立場からの視点を取り入れるため、そして多くの参加者の活動実績をきちんと記録することで、次の大きな災害が起きた時に役立つものとするため、会員館参加者全員の声を反映したいという趣旨です。 幹事は、愛知県美術館の大島徹也氏、副幹事は名古屋市美術館の清家三智氏(教育普及研究部会)となりました。本会の名称は「全国美術館会議 東日本大震災 文化財レスキュー事業記録分科会」となる予定です。 詳細については
「大変長らくお待たせいたしました。リアス・アーク美術館が再開します!!」 平成24年7月28日(土)〜部分開館いたします ※観覧無料 (今年度中は全て無料となります) 平成24年度の予定 明治三陸津波展の再展示 開館から8月末まで、平成18年に当館で開催した特別展 「描かれた惨状〜風俗画報に見る三陸大海嘯(だい かいしょう)の実態〜」 の再展示を行います。 当面は圏域ギャラリーのみの開館となり、9月以降、共催展や貸しギャラリーによる展覧会等が開催されます。アークギャラリー(常設展)とワークショップは、9月オープン予定です。 これまでの経過 リアス・アーク美術館は、東日本大震災により、壁のひび割れ、展示室の天井及びホール内のガラスの崩落、敷地内の地割れ等、施設や展示品に大きな被害を受けました。また、震災直後は、支援物資の保管場所となるなど休館を余儀なくされました。 その後、詳細な被害
リアス・アーク美術館、一部開館 津波災害主要テーマに 一部開館し、明治三陸大津波の被災絵図が公開されたリアス・アーク美術館 東日本大震災の地震の影響で休館中だった宮城県気仙沼市のリアス・アーク美術館(佐藤光一館長)が28日、1年4カ月ぶりに一部開館した。 明治三陸大津波(1896年)の被災状況を絵画で伝える特別展「描かれた惨状」が、1階の圏域ギャラリーで開幕。来場者は、昨年の津波を想起させる生々しい災害現場の絵に熱心に見入った。8月末まで無料で開催する。 同館は震災を機に「津波災害」を重要テーマに据えて運営していく計画で、6年前にも開催した「描かれた惨状」展を再開第1弾にした。当時の雑誌に掲載された被害の様子を描いた絵図75点に、昨年の津波の被災写真38点を加え再構成した。 同館は震災直後から学芸員らが現場に入り、撮影した写真を中心に約3万点の資料の収集、整理を進めている。成果をまと
仙台市博物館(仙台市青葉区川内)ギャラリーで3月27日、写真展「生きる-東日本大震災から一年-」が始まった。主催は日本写真家協会。 会場には手書きの「石巻日日新聞」も 同協会ではこれまで、震災復興支援事業としてチャリティー写真展や上映会を実施。今回、第3弾として同展を企画し、東京に続き仙台で開催した。同協会常務理事で写真展実行委員会副委員長の島田聡さんは「写真家にできるのは写真を撮ること。そして、未曽有の被害とその後の人々の『生きる』姿を記録し、多くの人に伝えることではないかと考えた」と話す。 企画に賛同した協会会員106人と被災地で暮らす写真家55人が参加。展示は「被災」「ふるさと」「生きる」の3部で構成する。 「被災」の部は、メディアで露出の多い津波被害の写真を並べるのではなく、「現地の人でなければ撮れない、広く目に触れていない、記録として貴重な津波の恐ろしさを伝える」7点に絞った。「
「記憶・歴史・表象――博物館は悲惨な記憶をどのように展示するか」 Memory, History, and Representation: How Can Museum Exhibit Memories of Catastrophe? 2度の世界大戦をはじめ、多くの戦争があいついだ20世紀。そして、テロリズムによって幕を開け、戦争や内戦、地震や津波をはじめとする自然災害、公害、大事故などの多くの悲惨が生じている21世紀。私たちの生きる時代は多くのカタストロフに満ちている。 これらの出来事や事件は、多くの人命を奪い、生活の基本にあるモノを喪失させたことにより、人びとの意識に消すことのできない記憶を刻みつけた。その一方で、それらの悲劇的な出来事は、それを伝える記録や媒体を喪失させたことにより、それをどのように語り、表象するかに多くの困難をもたらしている。こうした事実は、歴史学者や人類学者に対
陸前高田市(岩手県)では、人口2万4246人のうち1500人以上が東日本大震災で亡くなり、文化財も未曽有の打撃を受けた。市立博物館収蔵の約15万点▽国内有数の貝類のコレクションで知られた「海と貝のミュージアム」が11万点▽図書館は県指定文化財の「吉田家文書」など約8万冊▽埋蔵文化財整理室の土器などが入った700箱以上--が被災した。 博物館の職員6人のうち5人が亡くなり、1人は行方不明だ。博物館とミュージアム兼任の主任学芸員、熊谷賢さん(45)は、九死に一生を得た。2月上旬、現地で取材に応じてくれた。 海に面した同ミュージアムの建物は、外からは健在のように見える。だが中に入ると、がれきが散乱していた。天井近くの梁(はり)に巨大な展示ケースがぶら下がっている。今も立ち入るのが危険な状態だ。 「ああ、これは持って帰らないと」。がれきの中から、熊谷さんが小さなプラスチック製の展示プレートを拾い上
津波被害を受けた岩手県陸前高田市立博物館から回収された化石の復元作業に励む同市学芸員の熊谷賢さん=陸前高田市の旧生出小体育館で、永山悦子撮影 東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市では、市立博物館などに収められていた標本や文献など44万点以上が大津波にのみ込まれた。震災から11カ月、生き残ったスタッフが「古里の財産を失わせない」と収蔵品の復元に取り組み、将来の博物館の再生を目指している。 縄文時代の土器、サンゴの化石、三陸の動植物の標本、三陸海岸で使われてきた漁具、古い家電、掛け軸、マンガ--。同市郊外の旧生出(おいで)小(11年3月閉校)の体育館と教室に保管している津波被害にあった収蔵品だ。 「これは震災後、博物館で保管してほしいと寄贈されました」。同市でただ一人生き残った学芸員、熊谷賢さん(45)が指さす先には、針が2時46分で止まった古い柱時計があった。 熊谷さんは地震後、
© 平田弘史 © 満月 寺田亨(日本) © 寺田亨 Philippe Buchet(フランス) © Philippe Buchet Mista Benny(フランス)© Mista Benny Marc-Antoine Mathieu(フランス) ©Marc-Antoine Mathieu 満月(日本)© 満月 Laury(フランス)© Laury JM Ken Niimura(スペイン)© JM Ken Niimura イラストによる日本応援プロジェクト 世界のコミックス作家がみた3.11~マグニチュード・ゼロ~ 2011年3月11日に発生した大地震とそれによって引き起こされた原発事故は、国内だけでなく、海外にも大きな衝撃を与えました。 京都国際マンガミュージアムではこの度、震災直後にチャリティー目的で世界中から集まったイラストと、復興を応援するために今回描き下ろされたイラストを紹介する
京都国際マンガミュージアム(京都市中京区烏丸通御池上ル、TEL 075-254-7414)で3月3日から、イラスト展「世界のコミックス作家が見た3.11~マグニチュード・ゼロ~」が開催される。 国内外の作家が描いた震災復興のイラストを集めた同展。震災直後にフランスの人気コミックスの原作者、ジャン=ダヴィッド=モルヴァンさんが呼び掛けた「Tsunami(ツナミ)プロジェクト」のイラストのうち250点がイラスト集「マグニチュード9」として刊行。この一部と、描き下ろしの作品約60点を加えた約120点を日本語版「マグニチュード・ゼロ」として刊行するとになった。展示では、この日本語版「マグニチュード・ゼロ」の全イラストの複製の展示を予定する。 会期初日には、震災後からメッセージを発信し続けた漫画家・しりあがり寿さんとモルヴァンさんの対談「マンガがこのせかいにできることについて」も開催される。 開館時
東日本大震災で大きな被害を受けた古文書・民具・標本などの地域の歴史・文化資料。それらをいかにレスキューし、保全するのか。現場の博物館職員たちが被災の実態と回収そして洗浄や真空凍結乾燥などのさまざまな方法を駆使した対処方法について、多数の図版を交えて現状と課題をレポート。資料の保護に備えるネットワーク構築を呼びかける。 オールカラー 東北学院大学のホームページで紹介 【編集者の眼】 未曾有の大災害をもたらした東日本大震災では、博物館も甚大な被害を受けました。建物はもちろんですが、収蔵していた文化財、歴史資料や自然史の標本なども流されたり、海水や泥に浸かるなどの被害をうけました。それらは失われると二度と復原できないかけがいのない地域の財産です。 関係者は準備が整い次第すぐに、捜索や修復に取り組み始めました。海水や泥に浸かったものは洗浄しなければなりません。紙に書かれた資料を復原するために全国の
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