東日本大震災で被災した陸前高田市立博物館所蔵美術作品の本格修復に向け、東京国立博物館(東京都)は11日、作品の被災状況調査に着手した。国内最高峰の技術を誇る同館の支援で、陸前高田市の美の再生に向けた新たなステージが始まった。 同館保存修復課の神庭信幸課長、土屋裕子主任研究員らが、作品を保管している盛岡市本宮の県立美術館を訪問。陸前高田市立博物館の本多文人館長らの立ち会いの下、津波で傷んだ絵肌の状態などを詳細にチェックし、修復に要する技術、人員、日数を協議した。 土屋主任研究員は「最善の技術で元に戻したい。復興のシンボルになってほしい」、神庭課長は「若い保存修復の担い手育成にもつなげたい」と期す。 【写真=陸前高田市立博物館所蔵絵画の被災状況を調べる東京国立博物館の専門家ら】