福島県浪江町の住民1万5546人が慰謝料の増額を東京電力に求めた和解仲介手続き(ADR)で、原子力損害賠償紛争解決センターが提示した和解案をめぐり、福島第1原発事故の避難自治体に波紋が広がっている。和解案は現行の1人月10万円から5万円増額し、月15万円を支払う内容。政府の原子力損害賠償紛争審査会が定める賠償指針と異なる金額で、周辺自治体は一律賠償を求めたい考えだ。 <住民納得しない> 「浪江の5万円上乗せについて町長はどう考えるのか」 4月30日、いわき市であった同県楢葉町の町政懇談会で、町民が質問した。 同町は大半が避難指示解除準備区域に指定されている。松本幸英町長は5月下旬に帰町判断をする方針で、賠償に関しては町民も敏感だ。 松本町長は「双葉郡8町村はそれぞれ置かれている状況は違うが、共通する部分も多い。5万円の上乗せは水平展開されるはず」と答え、浪江町に示された和解案が他