TPPの経済効果に関する農水省の試算についてでは、TPPの参加による農産物の輸入関税の撤廃が、国内の農業生産の減少を通じて日本のGDPを減少させるが、その大部分は家計の農作物に対する支出の減少となるため、他の国内生産物に対する需要を生み出し農業生産の減少によるGDPの減少の大部分は相殺されることを説明しました。 このような、GDPの変化によって経済政策の効果を説明しようとする方法は、GDPという目に見える簡単な指標によって説明できることから政府の経済分析でよく使われます。 GDPの変化で経済を判断する手法はマクロ経済学(特にケインズ経済学)的考え方です。ケインズ経済学のいわゆる国民所得=消費+投資+政府支出+純輸出の式を使って考えると、輸入自由化による国内製品から輸入製品への需要の切り替えは、GDPを減少させるために国にとって望ましくないということになります。 しかし、経済学での経済厚生の