ブックマーク / agora-web.jp (107)

  • ロボットも危うい。日本の技術を過信していないか -大西 宏

    はロボット技術では世界一、また国民のロボットへの関心が高く、SONYのAIBOや田のASIMOなどのエンターテインメント・ロボットも親しまれています。今後とも日はロボット技術で世界をリードし、成長産業の一翼を担うに違いないと思っている人が大半だと思います。またマスコミも、そういった伝え方をしています。しかし、当にそうなのでしょうか。 世界で初めて触覚も伝わる内視鏡用手術支援ロボットが開発されたことは今月初めにニュースになっていました。また今朝の日経でも再度詳細が報じられていました。慶応大学理工学部の大西公平教授と、医学部の森川康英教授らが共同で開発したもので、およそ2メートル離れた遠隔操作で、「鉗子でつついた水風船の弾力やつまんだこんにゃくの軟らかさ」が伝わってくるそうです。 触感伝える手術ロボ 開発支えた医師の思い 慶大、国産機で技術向上 すばらしい成果だと思います。そのニュー

    ロボットも危うい。日本の技術を過信していないか -大西 宏
    kodaif
    kodaif 2010/08/23
    "もうそろそろ、日本は技術では世界一だという奢りや神話を捨て、新しい成長分野や、成長を促す原理を絞り、そこに産業がシフトしていく流れをつくることが政治の大きな役割だということはいうまでもありません。"
  • 資本主義の反対、社会主義の反対 - 小飼弾

    以下は資主義の反対は社会主義ということを言うまでもないこととして扱っている。 言うておきますが – インタラクティヴ読書ノート別館の別館 「社会主義の教訓」と「資主義の教訓」とは「どっちもどっち」ではありません。決定的に非対称的です。 金融日記 一般に資主義というのは金持ち優遇で貧富の格差がはげしい社会システムだと考えられています。 一方で、社会主義とは社会全体の活力を失うものの、格差という点では平等な社会システムだと考えられています。 私も冷戦終結まではそれを疑うことすらなかった。 しかしそれからの20年で、この二つは直交するのではないかという思いをますます強くしている。 まずは言葉を見てみよう。わかりやすいので社会主義の方から。 社会・主義。それでは社会の反対ってなんだろうか? 資、ではないよね。 国語の授業では、「社会」の反対は「個人」と教わっているはず。で、この問題に関して

    資本主義の反対、社会主義の反対 - 小飼弾
    kodaif
    kodaif 2010/07/02
    "資本主義はすでに純粋でなくなってしまった。しかし資本主義の発展は、この不純を認めたところからはじまった。種はあっても育てられない人と、育てられるけど種がない人が、一緒に仕事できるようになったのだから"
  • 「クラウド」時代のビジネス、国家権力、犯罪を想像してみた - 磯崎哲也

    2日ほど前に、 現在、犯罪の捜査でよく見られる光景の一つは、家宅捜索が行われて段ボールに入った書類やパソコンが押収されるというものだが、今後「クラウド」が発達・普及すると、そうした捜査に支障を来するケースも増えるんじゃないだろうか? と考えて、ツイッターでつぶやいてみた。 今回は、そこで議論させてもらったことを踏まえて、「クラウド」時代のビジネスや、情報に対する国家権力の行使の一端について考えてみたい。 注: クラウド・コンピューティングまたはクラウドという用語はバズワード化しており、人によってイメージする内容が異なる恐れがあるので、ここでは「ネット上のサーバーにあるデータやソフトウエアなどを、手元の端末と同等かそれ以上に便利に使えるサービス」という程度の意味で、カッコ付きの「クラウド」という用語を用いることにする。 ■今後「クラウド」優勢の時代が来るのか? クラウドという用語が出て来る前

    「クラウド」時代のビジネス、国家権力、犯罪を想像してみた - 磯崎哲也
    kodaif
    kodaif 2010/04/23
    "少なくともビジネス文書については、もう電子化の流れは止められないだろう。企業や部門の中で、一定以上電子化が進むと、ネットワーク効果的に「クラウド」的なサービスを使うことが合理性を増すことになる。"
  • 日銀がお札を刷ると「儲かる」のか? - 磯崎哲也

    (この記事は、週刊isologue(第49号)「会計と図解で考える入門金融論」の一部修正版(見版)です。 ちなみに記事のタイトルは、公認会計士岩谷誠治氏の著書「借金を返すと儲かるのか?」へのオマージュであります。:-) マクロ経済学や金融論は、数十兆円、千数百兆円といった規模の事象を扱うので、日常のアナロジーで理解するのは難しく、分析のためには何らかの「ツール」が必要です。 ところが通常、経済学で使われる「需要曲線・供給曲線」などのグラフや微分などの数式が出て来ると、そこで脳がフリーズしてしまう人が、おそらく人口の9割以上ではないかと。 そこで、今回は「会計/ファイナンス」というツールを使って、厳密さを欠くことなく生の経済のイメージが湧くフレームワークを作ることにチャレンジしてみたいと思います。 ちょっと記事のボリュームがありますが、以下のようなことを図を使って説明してあります。 日銀が

    日銀がお札を刷ると「儲かる」のか? - 磯崎哲也
    kodaif
    kodaif 2010/03/14
    "何らかの「ツール」が必要です。ところが通常、経済学で使われる「需要曲線・供給曲線」などのグラフや微分などの数式が出て来ると、そこで脳がフリーズしてしまう人が、おそらく人口の9割以上ではないかと。"
  • 「政治家を鍛える」仕組みの必要性--池尾和人

    以前、ダイヤモンド社の辻広雅文さんから、晩年の後藤田正晴氏(中曽根内閣時の官房長官)は「官邸主導」の考え方に否定的だったという話を聞かせてもらったことがある。その理由は、後藤田氏は多くの総理経験者を間近にみてきたが、必ずしもリーダーとしての資質に富んだ者ばかりではなく、「凡庸な」人物も少なくなかったからである。有能な人物ばかりであればいいが、そうではない者に権限を集中させるのは弊害の方が多くなりかねないから、ということだったようである。 賢明な指導者に恵まれるなら、独裁制の方が民主制よりも効率的である。しかし、哲人政治を求めても、指導者が必ず賢明であるという保証はない。それゆえ、民主制という政治制度が平均的には「よりましな政治制度」として選択されているわけである。こうした観点からは、権限配分のあり方を考えるときに、担い手の力量はどうなのか、権限と能力が見合うものになるかといった点の吟味を怠

    「政治家を鍛える」仕組みの必要性--池尾和人
    kodaif
    kodaif 2010/02/11
    "民主制よりも効率的である。しかし、哲人政治を求めても、指導者が必ず賢明であるという保証はない。それゆえ、民主制という政治制度が平均的には「よりましな政治制度」として選択されているわけである。"
  • トヨタ車大量リコールに見る日米の政策スタンスの差と、軋み始めた日本の製造業    藤井 まり子

    藤井 まり子 アメリカでは、オバマ大統領が1月27日の一般教書演説をしました。 オバマの一般教書演説では、その大半が国内の経済問題に費やされていました。今のアメリカの最大の問題が、「雇用の創出にあること」が改めて明確に打ち出されました。 オバマ演説で注目すべきは、「大幅なドル安を背景にして、製造業を中心にした輸出産業の振興、とくに中小零細企業の振興」を打ち出したことです。 オバマの一般教書が発表された直後に、日トヨタ自動車がアメリカ国内で大量のリコールを受けたことは、来ならば、もっと「違う角度」で注意すべきなのです。 トヨタ車のリコールは、数百万台規模の致命的なものでした。 これは、何を意味するのか? アメリカは、今現在の大幅な円安を背景にして、フォード・GMをはじめとする自国内の製造業の復活、とくに輸出産業の大復活を、官民を挙げて、なりふり構わず、野心満々で狙っているということなの

    トヨタ車大量リコールに見る日米の政策スタンスの差と、軋み始めた日本の製造業    藤井 まり子
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    kodaif 2010/02/10
    "完全ピラミッド型の官僚組織。円安ミニバブルの頃でさえも「乾いたタオルから水を絞る」と皮肉られていたように、下請、孫請け、ひ孫請けと、ピラミッドの下へ行くほど厳しい「古い幕藩体制のような文化」。"
  • 市民セクターの閉鎖性-松本孝行

    年末に投稿しました、社会起業家の誤った認識に、たくさんの反応をいただきました。特に堀江貴文さんがブログに取り上げていただいたこともあり、社会起業家とは何か、社会起業家と言う生き方は是か非か、という議論が起こったように思います。 それ自体、私は大変うれしかったのですが、残念なことに肝心の社会起業家や社会起業家支援者、NPOなどの反応があまり芳しくありませんでした。 堀江さんや他のブロガーの方たちが社会起業家にネガティブな反応を示したことで、「IT起業家にはわかりっこない」とか「あいつらとは違うんだから放っておけ」という声も多く、社会起業家やそれを支援する市民セクターの人たちの内向きな反応は大変残念に思います。 しかしこういった反応というのもある意味当然かもしれません。NPOについては特にそうですが、元々内向きな組織が大変多いのが特徴です。例えば、NPOを構成しているメンバーの所属を見てみると

    市民セクターの閉鎖性-松本孝行
    kodaif
    kodaif 2010/02/10
    "ネガティブな反応を示したことで、「IT起業家にはわかりっこない」とか「あいつらとは違うんだから放っておけ」という声も多く、社会起業家やそれを支援する市民セクターの人たちの内向きな反応は大変残念"
  • 日本企業という「相撲部屋」 - 池田信夫

    貴乃花親方が相撲協会の理事に選ばれたというニュースは、スポーツ団体の人事にしては異例に大きく報じられました。私もふだんはスポーツには興味がないのですが、このニュースには興味をもちました。というのは、相撲協会は日社会の「相撲部屋」体質の象徴だからです。 私がかつて取材した対象のうち、自分たちの身内の隠語を説明抜きで使う団体が二つありました。宮内庁と相撲協会です。彼らは外の世界を知らず、それでいいと思っている。しかも身内の結束はきわめて固く、些細な裏切りも許さない。特に外に対して身内の悪口をいうものは「村八分」にされる――こう書くと、日の会社とよく似ていることに気づくでしょう。今回のニュースがサラリーマン記者の共感を呼んだのも、組織内で組織に逆らうということが、いかに大変かを彼らが知っているからだと思います。 しかも日でもっとも古い封建的な組織と思われていた相撲協会で、こういう「反乱」が

    日本企業という「相撲部屋」 - 池田信夫
    kodaif
    kodaif 2010/02/06
    "平和は保たれるが、組織の社会的信用は失墜する――こういう特徴は長期的関係によって維持される組織に多かれ少なかれあるものですが、相撲部屋にはそういう「日本的組織」の最古の類型が今日まで残っています。"
  • 重力に抵抗する人々 - 『ネット帝国主義と日本の敗北』

    ★☆☆☆☆(評者)池田信夫 ネット帝国主義と日の敗北―搾取されるカネと文化 (幻冬舎新書) 著者:岸 博幸 販売元:幻冬舎 発売日:2010-01-30 クチコミを見る ベストセラーになっているクリス・アンダーソンの『フリー』は、彼の前著『ロングテール』ほど斬新なではない。彼が指摘しているネットビジネスの原理は、基的には経済学の教科書に書かれているからだ。それは次のような二つの原理である: 絶対的に供給過剰な商品は自由財になる 価格は限界費用と均等化する インターネットでは膨大な情報が供給され、その量はつねに需要を上回っているので、価格ゼロの自由財になる。また情報の限界費用(複製費用)はゼロなので、価格はゼロになる。これは経済学のきわめて基的な原理であり、いわば重力の法則のようなものだ。たしかにそれは従来の資主義に慣れてきた企業にとっては都合の悪いものだろうが、残念ながら重力を非

    重力に抵抗する人々 - 『ネット帝国主義と日本の敗北』
    kodaif
    kodaif 2010/02/03
    "独占できる部分(広告や課金)でもうける戦略を構築したからである。それもできなかった日本企業が、泣き言をいって著作権という名の既得権に救いを求めても、墜落のスピードを一時的にゆるめるのが関の山だろう。"
  • ガンジーの遺産 - 池田信夫

    鳩山首相の施政方針演説を読んでみました。率直にいって、作文としても出来が悪い。「いのちを、守りたい」という冒頭の文句は、監修した平田オリザ氏の趣味かもしれないが、演出過剰でちっとも心に響かない。中身が単なるバラマキ福祉にすぎないからです。特に引っかかるのは、冒頭でガンジーの「7つの社会的大罪」を引用している一節です: 理念なき政治 労働なき富 良心なき快楽 人格なき教育 道徳なき商業 人間性なき科学 犠牲なき宗教 これを受けて首相は「二十世紀の物質的な豊かさを支えてきた経済が、当の意味で人を豊かにし、幸せをもたらしてきたのか。資主義社会を維持しつつ、行き過ぎた『道徳なき商業』、『労働なき富』を、どのように制御していくべきなのか」と格調高くうたい上げるのですが、芝居としてはクサイといわざるをえない。 今の日の最大の問題が「道徳なき商業」を制御してゆくことだと首相が考えているとすれば、問

    ガンジーの遺産 - 池田信夫
    kodaif
    kodaif 2010/01/30
    "引きずり込もうとしているのでしょうか。毎月1500万円のお小遣いにも気づかない人にとっては、商業より道徳のほうが大事なのでしょうが、今の日本の最大の問題は商業が疲弊して経済が衰退していることです。"
  • まずは日本経済の「いのち」を考えるべき  -前田拓生

    施政方針演説では「いのちを守る」がテーマであったことは良くわかりますが、肝心の「政策」については方向性さえイマイチよくわかりませんでした。特に財政問題については「目標としていた新規国債発行額約44兆円以下という水準をおおむね達成することができました」と述べているくらいですから、全く、現状の財政的危機を理解していないようです。 格付け機関であるS&Pは、今年1/26に、日国債の格付けを引き下げる方向で検討に入っているそうですから、このような施政演説をしているようでは、早々に引き下げる可能性もあると思われます。 とはいえ、日国債の格付けが引き下げられても、ほとんど外国人投資家は日国債を購入していないので、大きな影響がないように思われるかもしれません。 しかし実際には、そうとはいえないと考えています。 現状、日国債は日銀行、および、邦銀等の金融機関がその多くを保有しています。ここで日

    まずは日本経済の「いのち」を考えるべき  -前田拓生
    kodaif
    kodaif 2010/01/30
    "力はありません。それなのに「貨幣量」だけを増加させてみても、変なバブルを起こすだけであり、さらに悪くすると、上述の通り「日本売り」を加速させ、日本人の「いのち」を危うくすることになるかもしれません。"
  • 経済を脳死させないために「金利教育」の強化が不可欠だ - 磯崎哲也

    いよいよ2月1日から全国で中学受験格的に始まる。私事で恐縮だが、我が家の次男も現在ラストスパート状態に入っている。 見たことがある方はご存知だろうが、昨今の中学入試の問題はとてつもなく難しい。アゴラの記事を読まれている方は社会でそれなり以上の活躍をされている方々が多いと思うが、大変失礼ながら、そうした方々でも数日勉強しただけで中堅以上の中学に合格するのはかなり難しいように思われる。 しかも、問題は必ずしも特殊な知識や受験のテクニックを知らないと解けないものではなく、例えば社会でも、憲法や産業別の貿易等、社会生活をする上での基的な知識を幅広く問う良問も多い。 こうして見ると、日教育水準は(少なくとも中学入試が一般的ではなかった私が子供の頃などよりは)格段にレベルが上がっているようにも思える。 一方で、「社会人としてこれだけは知っておかないと文字通り命に関わる知識」が初等教育から大き

    経済を脳死させないために「金利教育」の強化が不可欠だ - 磯崎哲也
    kodaif
    kodaif 2010/01/29
    "教えないのだろうか。まさか教育界に「金のことを教えるなど汚らわしい」といった偏見があるわけではなかろうが、ぜひ、義務教育段階でこうした金利の計算が全員できるようになるような教育を行っていただきたい。"
  • 表面化する技術と社会の対立 著作権法巡る混迷の原因はどこに

    ITジャーナリスト 津田大介 今年1月1日からネット上で違法に配信されている音楽・動画を違法と知りつつダウンロードする行為を違法とする、いわゆる「ダウンロード違法化」の規定が盛り込まれたように、09年はデジタル技術・インターネットにまつわる著作権問題を考える上で大きな転換点となる年だった。 そんな中具体的な現象面として起きていることは、コンテンツ産業の代弁者たる権利者と、コンテンツを利用するメーカーやIT事業者、コンテンツを消費するユーザーという3極の対立激化だ。ダウンロード違法化は、コンテンツ産業における権利者と消費者との争いだったが、09年秋にはそれに加えて権利者と機器メーカーの争いも勃発した。09年2月に東芝が発売したデジタル専用テレビ録画機の私的録画補償金の支払いをめぐって補償金を徴収する私的録画補償金管理協会(SARVH)が補償金の支払いを行っていない東芝に対して補償金相当額とし

    表面化する技術と社会の対立 著作権法巡る混迷の原因はどこに
    kodaif
    kodaif 2010/01/28
    "便利な機器やサービスが日々進化することでもたらされる「技術と社会の対立」は激化する一方だ。しかし、新しい技術やそれによって生まれた消費者ニーズを法や制度で押さえ込もうと思っても限界がある。"
  • 名護市長選の「民意」を斟酌する必要はない - 池田信夫

    名護市長選挙で、米軍基地の辺野古移転に反対した稲嶺進氏が当選したことで、日米合意の実現は絶望視されている。これについて平野官房長官が「民意を斟酌する必要はない」と発言したことが地元の反発を呼んでいるが、市長選で表明された「民意」とは何だろうか。 問題が米軍基地だから大問題になっているが、これは質的にはゴミ処理場や原発と同じ迷惑施設の問題であり、「沖縄の心」などのセンチメンタルな話は忘れたほうがいい。ゴミ処理場の周辺住民の「民意」を住民投票で決めたら、ノーという結論が出るのはわかりきっている。それを100%尊重したら、公共的に必要な迷惑施設はまったく建設できなくなる。 この種の問題はありふれており、解決策もはっきりしている。地元に賄賂を出すしかないのだ。これは違法行為という意味ではなく、「コースの定理」としてよく知られている考え方によるものだ。迷惑施設に対して政府が補償金を支払い、周辺住民

    名護市長選の「民意」を斟酌する必要はない - 池田信夫
    kodaif
    kodaif 2010/01/28
    "忘れたほうがいい。ゴミ処理場の周辺住民の「民意」を住民投票で決めたら、ノーという結論が出るのはわかりきっている。それを100%尊重したら、公共的に必要な迷惑施設はまったく建設できなくなる。"
  • 高学歴社会の罠 - 岡田克敏

    池田先生が書評として、学歴インフレの問題を取り上げられています。早稲田の政経でも一般入試は40%しかいないという話には驚きましたが、ここで指摘されていることは重要な問題であり、もっと注目されてもよいと思います。重複するところもありますが、少し別の観点も交えてこの問題について私見を述べたいと思います。 現在、大学進学率は現在55%を超えているそうです。20年ほど前でも40%程度あったので、遠からず国民の半数が学士さんという時代になりつつあります。高等教育が普及することは喜ばしいことですが、テレビ番組の低俗化や書籍販売の長期低落傾向などを見る限り、日人の知的レベルが上ったという実感はありません。その一方で、教育に対する家計の負担はたいへん大きいものがあります。 国の教育ローンを利用している家庭を対象に実施した日政策金融金庫の09年度の調査では、小学生以上の子どもを持つ家庭における教育費が家

    高学歴社会の罠 - 岡田克敏
    kodaif
    kodaif 2010/01/28
    "入試の選抜機能に大きく依存してきたわけで、大学での成績はあまり問題にされませんでした。このことが本来の目的である大学教育が軽視されてきた大きい理由でしょう。またそれは学歴社会の原因ともなりました。"
  • 今こそ「対中関係」の基本を冷静に見定めよう。 - 松本徹三

    ネット検閲の撤廃を要求してグーグル中国政府と対決、米国政府も多大の関心を示しています。 現在の中国政府がネット上の交信を厳しく検閲しているのは、まあ、当然と言えば当然です。中国政府がこれをやめる為には、国内情勢について揺るぎない自信を持つに至ることが必要ですが、これにはまだ時間がかかるでしょう。しかし、中国政府が組織的にサイバースパイの要員を養成しており、現実にグーグルのサーバーに彼等がサイバー攻撃を仕掛けたとなると、ことは重大です。 日には、何事によらず中国を美化する「親中派(媚中派?)」と、何事によらずケチをつけ、警戒心をあらわにする「嫌中派」がいて、共に偏った「感情的な議論」を熱心に展開する傾向がありますが、中国の実態を正確に理解し、その将来を冷静に予測している議論があまりないのは、憂慮すべきことです。 中国が近い将来米国と覇権を争うような「経済大国」となり、同時に世界有数の「軍

    今こそ「対中関係」の基本を冷静に見定めよう。 - 松本徹三
    kodaif
    kodaif 2010/01/27
    "ネット上の交信を厳しく検閲しているのは、まあ、当然と言えば当然です。中国政府がこれをやめる為には、国内情勢について揺るぎない自信を持つに至ることが必要ですが、これにはまだ時間がかかるでしょう。"
  • 農業の未来《その2》 -樋口耕太郎

    「世界を豊かにするのは、大量生産ではなくて、大衆による生産である」 マハトマ・ガンジー 資主義以前の日では、農業が地政学、政治経済学、社会学的に極めて大きな影響を有していたため、当時の経済学者でも、政治家でも、事業家でも、農業という産業の現場と質と性質を良く理解していました。日の代表的な度量衡の各単位がお米を基準に発展してきたことはとても象徴的です。 度量衡 面積の単位である1反(≒10アール)=300坪は、(太閤検地の時代の農業生産水準で)大人一人の1年分の糧、すなわち1石を生産する田んぼに相当する面積です。1石は、一人11合(180cc)のお米をするとして、1日3×365日=1,095合≒1,000合(=100升=10斗=1 石)=180リットル=2.5俵≒150kg、のお米の生産量を示します。幕末のインフレ期までは、1石のお米がおよそ1両で取引されていましたので、江

    農業の未来《その2》 -樋口耕太郎
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    kodaif 2010/01/27
    "気になる問題は、石油エネルギーに依拠し、薬品付けで、環境を痛め続けている現代の工業的な慣行農業が持続可能かどうか、そしてその農業生産方式に完全に依拠している我々の社会に死角はないのかという点です。"
  • 「エコで成長」の幻想 - 池田信夫

    井上さんの記事で指摘されているように、「環境産業で成長する」というスローガンは、民主党も自民党もみんなの党も成長戦略に掲げていますが、誤りです。これは野口悠紀雄氏も指摘していますが、政治家のみなさんは理解していないようなので、違う角度から説明しておきましょう。 ある産業が成長産業であるためには、(1)その産業に対する需要が増え続け、(2)イノベーションによる供給増の余地が大きいという条件が必要です。たとえばIT産業は、古い設備をソフトウェアに置き換えてコストを削減し、企業や個人の生産性を高めるので、今後も引き続き需要が増え続けるでしょう。イノベーションの速度も、衰える様子が見えません。この二つの要因は関連しており、需要が伸びることが投資を呼んでイノベーションを増やすわけです。 では環境産業はどうでしょうか。環境保護はいいことには違いないでしょうが、便益が社会全体に拡散する外部性が大きいため

    「エコで成長」の幻想 - 池田信夫
    kodaif
    kodaif 2010/01/24
    "要するにエコによってGDPは減少し、人々はそれを望んでもいないのです。それが多くの国民の支持を得ているのは、誰もが自分はその恩恵にあずかるが、コストは他人が負担すると思っているからです。"
  • 医療、介護は成長産業たりえない 井上晃宏

    今後の成長産業というと、「環境、医療、福祉」だということが言われる。 「成長産業」には二つの意味合いがある。国全体の経済規模(GDP)を拡大させるという意味と、個別産業としての規模が増加するという意味だ。 「環境」が、前者の意味での成長産業ではありえないことは、野口悠紀雄氏が詳細に述べている。 私は、「医療、介護」は、後者の意味での成長産業ですらないと思う。 「医療、介護」の特殊な点は、費用の徴収と分配を政府が行っているところにある。私的医療、私的介護も禁止されてはいないが、病人や要介護者は、同時に経済的弱者でもあるので、費用を負担する資力はない。何らかの方法で、社会全体で費用負担をする必要がある。 言い方を変えると、医療、介護とは、税(社会保険料を含む)でファイナンスされる産業である。成長させるには、他の政府支出を削減して医療、介護に回すか、あるいは増税を行う必要がある。 他の財政支出を

    医療、介護は成長産業たりえない 井上晃宏
    kodaif
    kodaif 2010/01/24
    "転用することは、事業仕分けの結果が示したように、困難である。増税に対する忌避感がこれほど強い政治状況では、財政規模の拡大も不可能だろう。つまり、「医療、介護」は、政治的理由で、成長することはない。"
  • 古い企業システムの生み出す学歴のインフレ - 『学歴の耐えられない軽さ』

    ★★★☆☆(評者)池田信夫 学歴の耐えられない軽さ やばくないか、その大学、その会社、その常識 著者:海老原 嗣生 販売元:朝日新聞出版 発売日:2009-12-18 クチコミを見る 大学の危機が叫ばれて久しい。書も指摘するように私立大学の半分以上が定員割れで、教育の成り立たない大学が増えている。偏差値の高い大学でも、早稲田大学の政治経済学部の入学者のうち、一般入試は40%しかいない。大学の偏差値ランキングを落とさないために一般入試を絞り、推薦入学などで水増ししているためだ。結果的に偏差値は高いが学生の質は落ち、学歴のインフレが進行している。 企業の人事担当者もこうした実態を知っているので、大学の偏差値を信用しなくなった。特に偏差値の低い大学の扱いは専門学校以下で、大学を卒業してから(大学院ではなく)専門学校へ行く学生が増えている。講義の内容も専門学校化し、特定の資格を取るための学科が増

    古い企業システムの生み出す学歴のインフレ - 『学歴の耐えられない軽さ』
    kodaif
    kodaif 2010/01/24
    "講義の内容も専門学校化し、特定の資格を取るための学科が増えている。一部の難関校を除いて大学そのものがインフレになっており、今や専門学校より役に立たない一般教養を教える機関にすぎない。"