欧米企業の多くは、世界各国に展開するグループの全拠点に共通のグローバルERPを導入し活用している。 海外拠点に対して強い統制をかけることに消極的だった日本企業においても近年、「ITをテコにグループ内のガバナンスを強化したい」という声が高まっている。 本稿では、グローバルERPを導入する際のポイントを解説する。 国内の景気回復が思うように進まず、企業にとって海外拠点の重要性がより高まっている。特に、中国をはじめとする東アジア、シンガポールやタイを中心とした東南アジア、さらにインドでのビジネス進展に期待する企業は多い。 こうした経営環境のなか、企業のシステム担当者から「グローバルでのガバナンスを強化したい」という相談を受けることが増えている。それに対する筆者の提案の1つが、グローバルERPの導入である。その理由について述べる前に、ここではまず、海外に拠点を持つ日本企業におけるガバナンスの現状に