NHKの時論公論で、自民党の安倍総裁の日銀引受発言騒動が、安倍総裁が実は市場オペと言っていたと言う事で、「重要な事実が抜け落ちた論争であり、市場の動きもいわば空騒ぎ」と言っている。しかし、空騒ぎと言えるであろうか? 問題の契機となった11月15日の発言(ニコニコ動画)を見てみると、安倍総裁が、自身が主張している事をよく理解できていないのは事実だからだ。 1. 財政ファイナンスを理解していない 政府が建設国債15~20兆円の建設国債を発行し、日銀に市場オペで買い取る事を主張している。政府が日銀に国債買取を命じている限り、実態上の日銀引受、つまり財政ファイナンスと同じ事になってしまう。中央銀行のガバナンスが問題*1なのであって、手続きが問題では無いのを理解できていないようだ。また、建設国債を選別して買い取れない事も理解していない*2。 2. 日本の量的緩和の規模を理解していない 日銀が金融緩和