平安貴族の遊びだった「貝覆い」などを原点に、江戸時代に発達した貝合わせを現代によみがえらせた作品や、工芸品として作った羽子板など計115点が7日までに、東京都在住の工芸作家、生越仁子(おごしきみこ)さんから、大洗町磯浜町の「町幕末と明治の博物館」(長嶺家光館長)に寄贈された。生越さんは「貝殻の採れた大洗町で貝合わせの普及に役立ってほしい」と話している。 今回寄贈されたのは、貝合わせの貝が紀貫之や小野小町など三十六歌仙をテーマにしたシリーズや、日天・月天など東西南北を守った十二天を題材にしたものなど79点、金箔(きんぱく)などを使った工芸作品として独自に作られた羽子板が14枚のほか、宮中での儀式に使う桧扇(ひおうぎ)など計115点。 これらを同館は、来年3月に一般公開する予定で、企画展の準備の合間に資料整理を進めている。 貝合わせは元来、貝の形の美しさや珍しさを競い、その貝を主題に歌を詠んで