亀井静香氏からリフレ派まで、「景気対策」を求める人々がいつもいうのが「需給ギャップが35兆円もあるのだから、これを埋めるのが先だ」という話だが、これはマクロ経済学の概念を取り違えている。需給ギャップを解消することが唯一の目的なら、解決するのは簡単であり、本質的な問題はそんなところにはない。 マクロ経済政策は古くからイデオロギー論争の場だったが、「ケインジアン対マネタリスト」といった論争は、学問的には80年代に終結しており、現在では新しいコンセンサスというべきものが成立している。その主要な結論は 経済変動を長期的な自然水準の変化と短期的な需給ギャップに分解して考える 長期的な自然水準を決めるのはリアルな変数であり、貨幣は自然水準からの乖離を埋めるだけである 需給ギャップの主要な原因はリアルな需要ショックであり、金融政策の主要な役割は物価上昇率のコントロールである Mankiwの教科書を引用す
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