「ユークリッドのかの美しき第一命題!」亀が夢見心地でつぶやいた。「ユークリッドを敬愛しておいでで?」 「熱情的にな! 少なくとも、今後数世紀のあいだ日の目を見ることのない論文を崇拝しうるかぎりにおいてだ」 「さて、それでは、その第一命題の論法をほんのちょっぴり取りあげましょう。--ほんの二前提、そしてそこから引き出される結論です。どうぞノートにご記入ください。それから、言及するのに都合のいいように、それぞれを(A)、(B)、(Z)としておきましょう。 (A)--同一のものに等しいものはたがいに等しい。 (B)--この三角形の二辺は、同一のものに等しい。 (Z)--この三角形の二辺はたがいに等しい。 ユークリッドの読者なら解するでしょうが、(Z)は(A)と(B)から論理的に導かれ、それゆえに(A)と(B)を真と認める者なら誰しも(Z)を真と認めなくてはなりませんね? 「むろんだ! ハイスク